歴史の星空に飛び込んで
最終章
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「これでよかったのかもしれません」
「………え?」
藤の花を手にして、沖田は小さく呟いた。
もう桂とキタジは行ってしまって、でも今はどうでもいい。
そんなこと、どうでもいい。
明らかに目の色の変わった沖田、
死んだように掠れている。
「私……労咳、なんですよね。だからこれでよかった。
もしも菅野さんが帰って来た時のために治しとかないと、ですかね」
そうか、その名を口にしただけで、死んだ瞳に少しの色がうつりだすのか。
「沖田さん、局にはどう報告を?」
実はずっと居た山崎が間を割って入って来た。
「私から全て話すよ」
最終章。