歴史の星空に飛び込んで
最終章


―――――――
――――――――――



「これでよかったのかもしれません」

「………え?」



藤の花を手にして、沖田は小さく呟いた。

もう桂とキタジは行ってしまって、でも今はどうでもいい。
そんなこと、どうでもいい。


明らかに目の色の変わった沖田、

死んだように掠れている。



「私……労咳、なんですよね。だからこれでよかった。

もしも菅野さんが帰って来た時のために治しとかないと、ですかね」




そうか、その名を口にしただけで、死んだ瞳に少しの色がうつりだすのか。




「沖田さん、局にはどう報告を?」



実はずっと居た山崎が間を割って入って来た。



「私から全て話すよ」





最終章。




< 484 / 565 >

この作品をシェア

pagetop