歴史の星空に飛び込んで


***

「古高俊太郎が新撰組に捕らえられたので、会合場所が池田屋に変更になりました」



宵々山当日の昼頃、長州藩邸の桂さんの部屋に久坂さんが訪れて来た。


私は、昼間、桂さんの秘書の如く一緒にいたから、私も久坂さんと顔を合わす。



昨日のあの夜から、久坂さんは、私に目を合わさない。
もしかしたら私もかもなのかもしれないけれど。



ただ、私は今、


「心ここにあらずだね」


そう。心ここにあらずなんだと思う。
桂さんに言われて、「そんなことないですよー」って言う元気はあるらしいけど。








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