歴史の星空に飛び込んで
***
「沖田さんっ、沖田さんっ、どうなさったんですか」
さっきから沖田さんが頭を抱えて唸り出した。
どうしよう。どうしたらいいんだろう。
だれか、だれか呼ばなきゃ
「ま……って」
立ち上がろうとすると、沖田さんがガッと私の手を掴む。
でも、
「大丈夫、ですから」
いやいや顔が大丈夫そうじゃないんですけど!!
でも、沖田さん、
うん。沖田さんの言うことに従おう。
「沖田さん」
ギュウッと沖田さんの首に手を回し沖田さんを抱きしめた。
どうしたら沖田さんが楽になるかなんてわからない。
だから、私は何も出来ないんだ。
無力な私を許して下さい。
「……………ありがとう、菅野さん………
少しだけ、私の独り言を聞いてくれませんか」
少し、沖田さんの声が落ちついていた。
「はい」
沖田さんが話しやすいようにって離れようとしたら、今度はぐいっと沖田さんの腕が私の背中に伸びて、沖田さんの胸に寄り掛かるような形になってしまった。
まあいいけど、病人なのにどこからそんな力強さが出て来るんだろう。