歴史の星空に飛び込んで
沖田さんと共に
***
それはまさにクーデターでした。
1867年12月9日。
薩摩藩を中心に、尾張、越前など五つの藩が御所の回りに守りについた。
薩摩藩の決起からまもなく、王制復古の大号令がだされ、これにより、260年あまり続いた徳川幕府が正式に廃止され
倒幕派による朝廷を中心とする全く新しい政府が作られたのでした。
「沖田さん、これからどうなるんですか?」
「…さあ、でも会津藩や幕府側は黙ってはいないでしょうから、
それに、薩摩藩は喧嘩吹っかけてるみたいですし……」
床から庭を見つめる沖田さんはどこか他人事のようだった。
多分今近藤局長が二条城に向かっているから心配なんだろうな。
新撰組の屯所も離れて、沖田さんの療養のために用意されたこの宅。
近藤局長との約束通り私は沖田さんの看病にあたっていた。
「何を見てるんです?」
「伏見ですよ」
「え、見えますか?」
「見えません。でも皆がいるから」
今新撰組は伏見に出陣していて、沖田さんも凄く行きたがってたっけ。