歴史の星空に飛び込んで


***



「では、大坂まで私の護衛を総司、頼むぞ」

「……私なんかでいいんですか近藤先生…」




心配そうな沖田さんに、
肩に傷をおった近藤先生、

今から松本先生のいる大坂に向かうことになっていた。


どうしてこうなったのか、

それは、近藤先生が伏見から馬に乗り帰っていたところ、

伊東派の残党に銃撃されたことが発端だった、

その時の護衛は島田ら数名、
突然の出来事に対処出来なかった。



隊だけではしっかりとした治療も出来ないというわけで、

以前から親交があって、
しかも今これから起こりうる戦に控え

大坂城で待機している松本先生の元に行くことになったというわけ。


それで、

近藤先生が護衛に指名したのは沖田さんだった。



沖田さんこそ松本先生の治療にかかるべきだから一緒に行くのは道理にかなうんだけど、



「なんだ総司、一番隊組長のお前が、一人で私の護衛が出来ないというのか?」




布団の上で体だけ起こして近藤先生を見つめる沖田さんの表情が少しムッとした。

近藤先生もなんで挑発するんだか、



やめて欲しいと隅でみながら思う私だけど、

沖田さんの目が少しイキイキしてるからいいかな、とも思う。







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