歴史の星空に飛び込んで
結末は決まっていた
***
大坂城。
「沖田さん、見て下さいこんなに星が綺麗ですよ」
「……本当ですね」
大坂城に着くと、私達はこれから起こる戦での負傷者が運ばれる救護室に運ばれた。
そこは、ただ広くて綺麗で、
まだ二人きりの空間。
近藤先生は治療してもらったからってもう大丈夫だなんていってほとんど軍議に出向いてる。
部屋の端で、布団を一式ひいて寝ている沖田さん。
私はいつも通り横にちょんと座っていた。
旅の疲れはもう大丈夫かな?
障子の外に広がる夜空を見つめる沖田さんは、今日もまた切なげだった。
「大坂城ってすごい立派ですよね、大きいし、京では二条城しか見てなかったから凄く新鮮です!」
「昔の人はすごいですよね〜」
「そうですよね〜」
普通にそう思ったけれど、
よく考えれば私今歴史の真っ只中にいる。
だから、沖田さんだって私からすれば寂しいけれど歴史上の人。
そんなことも忘れちゃうくらい私はこの時代に同化しているみたい。
でも今だけども沖田さんと共に同じ空気を吸っているってことだから、なんだっていいや。
なんて思って私はゆるりと頬を緩めた。
「どうかしましたか?」
上体を起こしながら沖田さんが怪訝な表情を浮かべる、
「いえいえ、なんでもないんです!」
私は慌てて苦笑に変わるのだった。
隣に座っていたのに、沖田さんの目線の方が高くなって、私は少し俯いた。
だって月光に照らされた沖田さんがあまりにも綺麗だったから。