歴史の星空に飛び込んで


うん。カッコイイよ。
王子様みたいで、

でも本当につくづく思う。
土方さんて物好きだなぁ、と。


まぁ土方さんのこのどや顔風味の嬉しそうな顔が見れる日が来たからよしとしよう。



立ち話もなんだからと、私達は部屋の中に上がろうとしたけれど、

土方さんがすぐに出るからいいとおっしゃったから縁側でまた話すことになった。

私は三人分のお茶を用意して二人のいる縁側に向かった。



「おい、そこにいるのは誰だ」



二人の背中に向かっていると耳に届いたのは抜刀の音。

久しく聞いてなかったから少し動揺して歩みを止めてしまった。


刀を抜いたのは土方さん。

立ち上がって門の方向に構えている。



どうしよう、とりあえず沖田さんを


部屋の机にお茶ののったお盆を置いて、私は沖田さんの元に寄った。


「沖田さん、とりあえず部屋に入りましょう?」


背中から話しかければ沖田さんは振り返って笑顔。
間の抜けた感じがした。


「大丈夫ですよ。だってほら、相手の人悪い人じゃなさそうですし」

「え…?……き、キタジ君!?」



沖田さんに促され、門に立ちかまえている知ったヒョロリとしたその人。
桂さんによろしくされたキタジ君だった。


驚いて立ち上がると土方さんが私を縁側の下から仰ぎ見る。


「お前の知り合いか?」

「はい、あの、えっと……」

「……桂先生からの、使いで、まいりました」



長州の人ですって言わないためにちょっと考えてたのにキタジ君言っちゃった!!


「なんだこのヘナチョコ。使いとか言って遣唐使かってんの」



土方さんツッコミが荒いです。






< 549 / 565 >

この作品をシェア

pagetop