歴史の星空に飛び込んで
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「あの本受けとったってこたーおまえ帰る気あるってことだな」
帰り際、沖田さんを部屋に待たせ門前まで見送る私に土方さんは見下ろしながら言った。
土方さんは門の外に、私は門の中に、
私は土方さんを見上げて少し微笑んだ。
「はい。だって私未来の人間だから」
まだまだ未来にやり残したことがあるから、
「総司はどうすんだ。
帰ったら今度は一生の別れかもしれねぇんだぞ」
「はい、わかってます」
「つらくねぇのかよ」
「つらいに決まってます」
「おまえはそれ」
手を伸ばして土方さんの口を手でふさいだ。
口を塞がれるなんて予想もしてなかったんだろう土方さんはらしくなく驚いていて、
してやったり、なんて。
「わかってますよ土方さん。ちゃんと。わかってるからこそ今はそんなこと考えないで沖田さんとゆっくり一緒に生きていたいんです」
自分の言ってることが支離滅裂なんて百も承知。
でも土方さんが責めるから。
なにしやがるって言いたそうな顔からキョトンとしてしまった土方さんは次に私の言葉を聞いてからニヤリと不適に笑った。
な、何……?
「なるほどな」
「な、なんですか」