歴史の星空に飛び込んで
歴史の星空に飛び込んで
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1868年5月。
沖田さんと私が療養させて頂いているお家の庭の藤の花が立派に咲き誇りました。
このまえまでは桜がすごかったのに、時の流れは凄まじいものです。
こうして縁側に座りひなたぼっこするのも習慣ですね、もう。
沖田さんは、私の隣で今入れたばかりのお茶をグイッと飲み込んだ。
むせなきゃいいけど。
心配しながら沖田さんを見つめると沖田さんはふぅ、と息をついて湯呑みを下ろし私を見つめた。
その表情は温かい笑顔。
お日様みたいだな、
「おき」
沖田さんの名前を呼ぶ前にちゅっと唇が重なった。
あう、不意打ちだぁ。
「菅野さんは浮気性だからこうやって私のだってわからせないとね」
「なっ」
山崎さんのキスのことも、
実は土方さんに変なことされたのも追求されてばれちゃって、
だから沖田さんはそんなこというんだと思う。
「不可抗力だったんですってば!」
「菅野さん隙がありすぎるんです。ほら」
「あっ」
頬にキスを落とし、それから目、鼻、耳、首、と沖田さんは私にキスを落としていった。
くすぐったくて甘ったるくて頭の奥で何かが燻って高ぶる。
「桃」
誘うような沖田さんの声。
らしくないなって思いながら沖田さんの心地好い声音にどうも聴き入ってしまうらしい。
「沖田さん、子供好きでしたよね」
「はい、好きですよ?………………………っえ!?」
私の言葉に少し考えてから沖田さんは一気に頬を赤らめた。
え……?
あ。