歴史の星空に飛び込んで
沖田さんが苦しくなってはいやだからと私は寝転ぶ沖田さんの隣に寝転んだ。
私から沖田さんを手繰り寄せるようにして背中に手を回す。沖田さんは私の方に向き、それから私の首に手を回して抱きしめてくれた。
そうされるだけで本当に幸せで、
でも視界には沖田さんの血が見えた。
いつも終わりがくることを考えてしまう。
胸が締め付けられる痛み、泣きそうになっていると沖田さんの優しい落ち着いた声が聞こえた。
「菅野さんの子供になりたいな」
「え?私の子供ですか?」
「そう、菅野さんの子供。きっと幸せだろうなって」
沖田さんの胸から顔を上げると沖田さんは優しく優しく微笑んでいた。
「あー、でもこんな風に口付けしたりできませんね」
言って沖田さんは私の額に口付ける。
「それに、君を守る役目を貰えないかもしれませんしね」
「沖田さん」
君を守るために生まれてきましたから。そう囁いた沖田さんに、私はただ嬉しくてゆるりと頬を緩めた。
私はあなたの道標でいられてるのかな、
聞きたいけれど声を出してしまえばその声は震えて、しまいには涙が溢れそうだった。
終わりなんていらないのに。
「菅野さんの傍にいられたらいいのに」
やめて
そんなこと今は言わないで
泣きそうな私に気付いてか沖田さんは私の頭を撫でて頬に添わせて
でも本当、さっきは誘われたのかと思いました。と悪戯に笑って言った。
なにもかも興ざめだ。
でも私と沖田さんはこんな感じでいいんじゃないかと思う。
「誘ってませんって!」
「むきになるところがますます怪しい」
「なっ」
「子供作ります?」
「もう、困るようなこと言わないで下さいよ!」
「困るってことは」
「だ、だって沖田さんとの子供だったら欲しいとか思うでしょ、でもっ」
女の子だもん。
赤面しながら沖田さんを見上げると沖田さんもまた酷く赤面していた。