歴史の星空に飛び込んで


「もうすぐ着くよ」


小さめの三条小橋を渡りながら、桂さんが振り返ってそう言った。


「ダメです!この会合に、行ってはダメ」


ぐいっと彼の着物を引っつかんだ。


「え……?どういうことだね」

「新撰組が、来ます」



池田屋事件

新撰組の名が広まった大きな事件だ。


「………。そうか」


桂さんはニッコリと笑った。
そして歩く向きを変えて、私の頭を撫でる。


「帰るとするか」

「あ、や、あの!」


アワアワとする私に、桂さんは首を傾げた。


「自信が無いんです。あってるか。だから、あの、私を代わりに行かしてくれませんか」







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