歴史の星空に飛び込んで
君が言ったから
***
「土方さん」
新撰組屯所の縁側で日なたぼっこしていた沖田は、颯爽と歩いて来た土方を呼び止めた。
「いったい急いでどうしたんです」
「古高がはいたぜ」
「え、汚いですね」
「違うわ阿呆」
長州藩士の古高俊太郎は、長州の企みを言わすべく組に取り押さえられ、拷問していたところだ。
「古高が長州の企みを言ったんだよ」
「ああ、なぁんだ。甘味でもあるのかと思った」
「総司じゃあるめえし、馬鹿言ってねえで幹部を集めろ」
「はーい」
(土方さんの拷問きつそうだな)
なんて思いながら沖田も歩き出した。