歴史の星空に飛び込んで
「……ま、まあいい。永倉の言う通りだな。山崎君はいるか」
局長近藤が、視線を上げる。
「ここにおります」
幹部でない山崎は、障子の外から声を上げた。
山崎の役所は監察方。
密偵など影の部分の仕事をする。
「長州の者が行き来する場所を洗い出して貰えるか」
「承知。すぐに」
そう言って山崎は走っていった。
「戦になるぞ」
近藤の声が部屋に響く。
ゴクリと唾を飲む者、ニヤリと楽しむ者、それぞれで、
新撰組はどんどん歴史の表に出ようとしていた。