歴史の星空に飛び込んで
池田屋の主人が焦った様子でやって来る。
これは、この状況は、かなり危ない。
でも、桂さんがいなくてよかったなんて安堵してる私は根っからの馬鹿。
とりあえず、ジリジリと座りながら壁まで逃げた。
「殺してやる!!」
「いやあ!!」
「新撰組だぁ!!」
カキーン!!
鉄と鉄が重なりあった音が響いて、私はとっさに瞳を閉じて、頭を守るように小さくなった。
「新撰組局長、近藤勇だ。丁重にお縄になって頂こう」
「そうはさせるか!」
バタバタと駆け回る騒がしい音。
刀が交じりあう嫌な音。
怒鳴りあう怒号。
私の速まる心音。
全部がうるさい。