歴史の星空に飛び込んで


「言いたいことはそれだけか」


ぐいっ

え!?


突然後ろから誰かにひょいっと持ち上げられた。


そして、私を掴んでいた彼の喉元にチャキッとその誰かが刀を向ける。


「………待て、名は…?」


彼は静かに掠れた声でそう言った。


「俺は、斎藤一。」


斎藤一。


まさか、彼までも私を助けてくれるなんて。

私は驚きで目を見開く



「俺は肥後脱藩…宮部鼎蔵……よくこの名を覚えていろ」


宮部さんは、斎藤さんが斬る前に、血を吐いて息を引き取った。


「…………………」




壮絶な戦いが終わったのだと、斎藤さんの腕の中で肩の力を落とす。





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