歴史の星空に飛び込んで
第二章


「なんですか?これ」


自室で書き物をしている土方さんに、部屋で拾った句集が書かれた冊子を見せた。


「ん?」


土方さんは何かを書きながら目線をこちらに向けることはない。


「ええと、梅は咲いても梅は梅」

「なっ!馬鹿!」

「わぁ!なんですか急に!」


池田屋事件後日、
私はちゃっかり新撰組に捕まった。

でも今度は縛られることもなく、部屋に閉じ込められるわけでもない。


ただ土方さんの部屋に居させられているだけ。


理由は、沖田さんが静かに寝るために一室が使われて、空き部屋がついに無くなってしまったから。






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