銀の野獣
「へぇ…私は星野月。」


「“月”で“るなって読むんだぁ。珍しいね~」



「………まぁね。」



私のすこし暗い口調に 何かを察したのか、それ以上は何も聞いてこなかった。


そのほうが私にしても都合が良い。


あのことを この子に話す理由もないし 何より 他人に言うつもりはないから。



……そう言えば理事長室に来いって言われてたな…。


辺りを見回してみても、

不良、不良、喧嘩。

まぁ不良校なだけあるよね。


「あのさ、理事長室に連れて行ってほしいんだけど……」


自分で探すと不良さんに絡まれそうだと判断した私は、 蘭に連れて行ってほしいと頼んでみた。

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