銀の野獣
「ここだよ。」


蘭の声に顔を上げた。

どうやら 心の中でパンダギャルたちに文句を言ってる間に着いたみたいだ。



「ありがとう。」


取りあえずお礼を言うと 蘭は笑顔で手を振りながら去っていった。



人懐っこい性格…


少しでも共通点を見つけると “あの人”を思い出すことは もう癖になってしまっていた。


「しっかりしなきゃ…」


辛い想いを書き消すように ブンブンと首を横に振り、一度深呼吸をしてから ドアノブを回した。


< 8 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop