今日も明日も…私はあなたに恋をする。
「葵君も十分演技派じゃない」
「お嬢様には負けますよ」
二人で笑いあう。
「ほら!具合が悪い設定でしょ!」
葵君に言われて、慌てて具合が悪そうに咳き込む。
すると会場から人がでてきた。
「優海〜!具合が悪くなったって!?」
「大丈夫なの?熱は?顔が赤いわよ!」
うっ…それは葵君の笑顔を見た後だからです。
「お嬢様は会場の冷房でお身体を冷やしてしまったようなのです」
葵君が作戦どおりに話をすすめる。
「そうか。じゃあこのまま先に帰りなさい。」
「お母さん達がお客様に話しておくわ」
「ごめんなさい、ありがとう。」
ゴホッ、と咳き込み一礼をした。