今日も明日も…私はあなたに恋をする。
「…ねぇ、爺、葵君のお祖父さんを知っているの?」
「えぇ。私が子供の時とても親切にして下さった方が修治さんなのです。…それにしても彼は修治さんの生き写しのようです。」
そう言って、爺は目を細めて車の前に立つ葵君を見つめる。
「彼ね、今日から私の専属執事になったのよ」
そう言った途端に爺は目を見開いた。
「優海様の執事に?…これは何かの廻り合わせなのか…」
爺はぶつぶつと何かを言い始めた。
廻り合わせ?
一体何の事?
「ほら!爺こんな所にいないで早く帰ろう!」
ぶつぶつ言っている爺を一人残して私は葵君の元へ歩きだす。
―――きっと、私達の出会いは何かの因果で出来た廻り合わせだったんだ。
そんな事、この時の私達は知る由もなかった。―――