へたれだって恋・・・らしきもの・・・をすることもある、て話~ヘタコイ~
雨降りの窓の手前にはフミエちゃんの姿があった。

不思議なくらいこっちを見ない。

ミエちゃんを探すと、何かをまっすぐに見つめているところだった。

視線の先をたどると、

その先にはフミエちゃんがいた。


フミエちゃんも、その視線に気付いたのか

一瞬ミエちゃんの方を見て、ゆっくりと顔をそらせた。


それを見たミエちゃんが

「先生、うちの班に入ってもらいます」
と大きな声で言った。

ミエちゃんが教室でそんな大きな声を出すところは見たことがなかった。

< 141 / 212 >

この作品をシェア

pagetop