再会
その瞬間思い出した。


昔の記憶が蘇る。


ぱっちりとした大きな目。

あごはしゅっと尖っていて、ちょっと困ったように笑う口。

さらさらな髪。



懐かしい、記憶。



だんだんと近づいてくる彼の顔を見るにつれ、記憶がより鮮明になる。



「やっぱゆなだ!久しぶりだな」


「うん、久しぶりだね、ハル」



ハルは、小学校卒業と同時に引っ越してしまって、だからそれ以来会ってなかった。


どこに引っ越したのか、詳しいことは知らない。


だけど、簡単に会えるような、そんな距離じゃないことは、最後に見送ったときの、ハルの表情でわかった。
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