サクラ咲ク
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「悠希さん、おかえりなさい。」
屯所に戻ると沖田さんに会った。
どうやらお昼ご飯のお片付けをしているらしく、手には空になったお皿の乗ったお盆があった。
「ただいま、です!」
「幸せそうですねぇ~いい事でもありましたか?」
上機嫌に笑う私に沖田さんが尋ねた。
「はい!実は、さっきまでお梅さんと芹沢局長と一緒にいたんですっ」
幸せの余韻に浸ったままそう言った私に、沖田さんが一瞬表情を強張らせた。
「…沖田さん?」
不思議に思って首を傾げると、沖田さんは少し慌てた様に笑った。
「いえ、すみません。お二人と会われたんですね……いい人だったでしょう?」
一瞬、小さな風が吹いて木々をざわめかせた。
「はい!大好きになっちゃいました!」
そう言って笑った私を、沖田さんは少し悲しげな笑顔で見つめていたことに、私は気づかなかった。
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