サクラ咲ク




ねぇ お梅さん?



貴女と過ごした三日間、私はきっといつまでも忘れない。



忘れられない。



貴女のおかげで、気付いたことが沢山あるの。



この時代にも、優しい色が溢れていること。

貴女の温もりに触れて、初めて気付いたの。






貴女の守った何か。





それが“愛”だなんて、柄にもなく思ってしまうの。










「…見事、ね。」








何かを守る為に、私も貴女みたいになれるかしら。




貴女のように、そんな人に出会えるかしら。








そっと、空に手を伸ばす。






悲しみに溢れた青を、ただ目に焼き付けて。







届かない空。
届かない貴女。








だけど、私は、手を伸ばして、掴もうとするの。







そうしたら、いつかまた、出会える気がして。











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