サクラ咲ク
綺麗な字で書かれたその手紙に、泣きそうになるのを堪える。
だけど、泣かないと決めたから。
空を見上げて、涙を封じる。
最初から、最期まで、私の心配ばかり。
有難う、だなんて…
「何も、できなかったのに…」
貴女がしてくれた事は沢山あるのに、私は…
私は、何一つ返せなかった。
だけど…
出会えたこと、
心から感謝してる。
その熱に触れられたこと、
同じ時間を過ごせたこと、
その全てが、幸せだったから。
.