サクラ咲ク
縄を丁度かけおわった時、一番隊の人たちが駆け込んできて、捕まえた浪士達を連れていった。
宿に残された私は、漸く一段落ついたわ、と安堵の息をついた。
「一滴も血を流さずにすんで、よかった。」
ポロリと呟いた私に、沖田先生は少し笑った。
「斬らずに済ませられたのは、貴方の腕のおかげですよ。」
褒められてる、のかしら。
そうなら嬉しい。
「さて、帰りましょうか。」
そう言って歩き出した沖田先生の後を、緩む頬を押さえて追いかけた。
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