サクラ咲ク
刀を持って戦う意味を、
その銀を朱に染める意味を、
忠義や、武士道も、
やっぱり私には理解できない。
だけど、分かりたいと思う。
命の奪い合いの先を。
裏切りと信頼の先を。
土方さんと近藤さんの誓いの、行く末を。
いつまでも、笑い声の響くこの場所を。
できるならば、いつまでも傍で、見ていたいと。
そう思う。
いつの間にか、大事だと思っていた。
現代に未練がない訳じゃない。今だって、時々思い出す。
その度に、どうしようもなく哀しくなるけれど。
だけど、私は、
この時代で生きていきたい。
この場所で。
小さく吹いた風が、ただ木の葉を揺らし、夏の終わりが来ることを告げた。
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