サクラ咲ク
「私なら、自分の信じたい人を信じます。」
咄嗟に出た言葉。
でも虚嘘ではなく、本心。
何が正しくて、何が間違ってるかなんて、
誰にも解らないんだから。
「・・・御自分の、行きたい道へ。」
きっとその先には、正しい世界があると、信じて。
「・・・有難う。」
そう言った藤堂さんの顔は、どこか儚くて、何故か泣きたくなった。
もう誰もいない廊下に、ただ一人で立ち尽くす。
韓紅花は、もう姿を消し、
星一つない暗い夜が、静かに顔を見せていた。
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