サクラ咲ク



「山南さんは、どう思う?」





土方さんの声が、沈黙を破った。





「そうですね・・・・・山崎くん。本当に何も分からなかったのですか?」





「はい。酒井悠希については、生国、親類、剣派、何一つわかりませんでした・・・・こんな事は今までありませんでした。何一つ解らないなんて、まるで異質な・・・・」






異質。





山崎さんと呼ばれた人は、私を調べたんだ。





そして、何一つ分からなかった。






当たり前だわ。



だって私の生まれは、ここから百年以上先。



この時代で、私は何も持っていない。









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