サクラ咲ク





「と言う事は、原田、永倉、山南さんは賛成でいいんだな?・・・藤堂と総司は、どうだ?」




土方さんの声に答えたのは、藤堂さんだった。







「・・・俺は、悠希が好きだよ。いい奴だし・・・でも、俺一人の判断でこの場所が壊れるのは嫌だ。」





やっぱり涙混じりの声だけど、さっきより力強さがある。





何かを、決意したような。









「俺は、悠希が奴らの間者だなんて思わない。だけど・・・決まった対処には、文句は言わない。それで、いいですか?」





「・・・つまり、傍観者に回るって事ですか?優しいって、残酷だなぁ。」







場違いに楽しそうな声がした。








「これが最善なんだよ!!!総司だって、悠希のこと気に入ってたじゃん!!!!そんなに簡単に疑ったりできる!?悠希が拷問されて自白させられるの、黙って見てられる!?!?」







藤堂さんが叫ぶ。





痛いほどに、耳に刺さる。







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