サクラ咲ク
「・・・一人で大丈夫なんて言うなら・・・っ!!」
泣くように、叫ぶ。
悲痛、なんて言葉が浮かんで消えた。
暗闇の中で振り向いた麗くんの顔は悲しそうに歪んでいた。
「それなら最初から泣いたりするなよっ!!!!!」
叫んで、抱きしめられる。
離された手の代わりに、ぎゅっと。
その熱が、移る。
「麗、くん・・・?」
戸惑って、問う。
「・・・我が儘、なんだよ。」
耳元で聞こえる力ない声が、不謹慎にもくすぐったい。
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