サクラ咲ク



「今度遊郭に行くなら、私が行ってあげようか?」



「やめときなよ。女には入りづらい場所だよ。」




・・・まぁ確かに、そうね。



男の人の為のお店に、私が入っていったりしたら、それこそ異様だろう。





「・・・それより、よくそこまで化けたね。」



「え?」




化けたって?私が?




「着物と化粧。あんた、女にしか見えないよ。」




「・・・私、もとから女だからね。でもまぁ…着物なんて初めてだし、自分でも驚いたぐらいよ。」





着物を着るだけで、こんなにも人は印象が変わるものなのか、と。






「着物着るの初めてだって言った?どういうこと?」





訝しげに眉を潜めた麗くんに思わずギョッとした。

口が滑った!!!と思って。




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