サクラ咲ク
「あ、あぁ・・・なぁ、・・・悠希、ここにいるか?」
遠慮がちに聞かれた言葉に、
どくん、と心臓か跳ねた。
「・・・あいつなら、どこか行っちゃったよ。」
嘲笑いながら言う麗くんに、原田さんが眉を潜める。
「はぁ?お前に限ってあいつを見放す訳ねぇだろうが!」
「どの口が言う訳?自分たちが追い出した癖に。」
お互い静かに睨み合う時間が、痛くて、苦しい。
「・・・お止め下さい。」
思わず、呟く。
呟いた私の側を、言葉たちが無邪気に駆けていった。
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