サクラ咲ク
左介さんのお団子屋さんは、いつもお客さんで賑わっていた。
「こんにちは。左介さん。」
「おぉ!あんたは、お菊さんとこの…」
「はい。注文されていたお着物、届けに来ました。娘さん、ご結婚なさるんですね。おめでとうございます。」
着物を手渡すと、左介さんは嬉しそうに笑った。
「有難う…あの子には沢山苦労かけたからなぁ…」
左介さんの視線の先には、接客をする若い女性の姿。
優しげな横顔。
「…挨拶、してきてもいいですか?」
そう佐介さんに言えば、嬉しそうに頷いてくれた。
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