サクラ咲ク
「大丈夫。ここにいなさい。」
肩を抱いて中に太一君を座らせる。
私も慌ててお茶をいれる。
お茶を出す頃には、太一君はかなり落ち着いていた。
「池田屋で、今、戦闘が始まってるらしいよ。新撰組が動いてるって、町の奴らが言ってた。」
「新、撰組が…?」
思わず呟く。
「ねぇ今戦ってるの!!?戦況は!?」
「わっ…わかんないよ!!!」
ガタガタと太一君を揺さぶれば、怯えたような返事が返ってきた。
どうしよう。どうしよう…
今、戦ってるの?
誰が?
みんな生きてる?
ああ もう…
側にいないって、こんなにも苦しい。
――『――…貴女の、信じる道を。』
昼間のお団子屋さんの声が頭に響く。
私の、信じる道。
そんなもの…
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