サクラ咲ク
二十、大手鞠 [約束を守って]
きっと、いつもどこかで思っていた。
『自分は可哀相』だと。
親に見捨てられて、
死ぬことすら許されず、
時代の波に流され、
大切な人を失い、
信じていた人たちにも裏切らるた。
そんな自分を、可哀相だと。
不幸だと。
それは何て愚かで、憐れで、子供じみた考えだったのだろう。
一人でなんか、生きていけないのに。
私はいつだって、誰かに守られて生きてきたのに。
よく周りを見れば、簡単に分かることなのに、私は自分しか見ていなかった。
そうやって、きっと沢山の人を傷つけてきた。
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