サクラ咲ク



これから、どうしよう。


お金もないのに、一人でなんて生きていけるのかしら。



親戚もいない。

頼れる人もいない。



本当に、どうしよう。



役所に行くべき?

それとも警察?



そんな事したら、お母さんが捕まっちゃう……






そこまで考えてハッとする。




私、まだお母さんが好きなんだなぁ…

捨てられても尚、お母さんが…



そう思うと、泣いてしまいそうだから、唇を噛み締める。




冷静に、ならなきゃ。




家を飛び出して、真っ暗な夜道を走る。


ネオンに隠れて星は見えない、ただ濃藍に包まれた空を。



もうサラリーマン達が帰る時間帯らしく、駅のほうからは流れるようにスーツを着た人たちが溢れ出す。




その流れに逆らいながら、私はただひたすらにある場所へ走った。







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