サクラ咲ク
四、鳳仙花 [短気]
なんだかよくわかんないけど…私は、合格したらしい。
与えられた小さな部屋の隅に座ってぼんやりと考える。
タイムスリップ…ね…
時間軸を考えたら有り得ない話だけど、ここまで来たらもう否定する気にもなれない。
壬生浪士組。
この場所の名はそういうらしいが、歴史の授業で習った覚えはない。
だけど、武士の集団なら…
人を斬ったりするのかな…
隊士になったということは、
私も…………
「悠希さん、入りますよ。」
部屋の外からそんな声がして、ハッとして顔をあげる。
静かに開いた先には、さっきの実技試験で審判をしていた人…確か総司と呼ばれていた人がにこにこと笑顔を浮かべていた。
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