サクラ咲ク
「初めまして。副長助勤、一番隊隊長の沖田総司といいます。」
「酒井悠希です…よろしくお願いします。」
頭を下げた私に、沖田さんは優しく笑った。
沖田、総司。
やっぱりどこかで聞いた名前。
どこで聞いたのか、思い出せそうもないけれど。
「悠希さんのお披露目会の準備が出来たので、客間に行きましょう。」
「お披露目会…?」
立ち上がって沖田さんの後について行きながら、少し眉を潜める。
お披露目会って、一体何するんだろ…
こっちの時代のしきたりなんて何も知らないのに…
「あははっ!大丈夫ですよ~そんなに不安にならなくても。ただのお披露目会と称した宴会なので。」
私のそんな表情から気持ちを読み取ったのか、沖田さんがそう言ってくれた。
「そうなんですか…ならよかった…」
ホッとして少し緊張が解けた頃に、やっと客間についた。
中はすでに賑わってるらしい。
楽しげな声が溢れて聞こえてきた。
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