サクラ咲ク
「それにしても、ホントに女みてぇな顔してんなぁ…」
原田さんが私の顔をまじまじと見つめながら言った。
「本当だよなぁ…まぁこれで、むさ苦しいこの場所にも華が咲くってもんだな!」
あはははは!!と楽しそうに笑う三人を見ながら、私はポカンとする。
あれ………?
なんか私…
男だと思われてる…?
え…?
まじで…?
なんか…
凄くへこむんですけど…
「悠希さん?どうされましたか?」
心配してくれたのか、沖田さんがそう声をかけてくれた。
「いえ…あ、沖田さん…改めてよろしくお願いします。」
そういえばこの人の隊に配属されたことが決まったんだ…
それを思い出してもう一度頭を下げる。
「こちらこそ。悠希さん、剣の腕もあるし、頼もしいですね。剣はどこの流派なんですか?見たことのない太刀筋でしたが…」
流派?
「…多分、自己流だと思います。」
だって水谷先生は型にこだわらない人だったし…
「自己流…ですか。」
沖田さんが小さく呟いて、真剣な顔をしたのに、私は気付かなかった。
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