サクラ咲ク


昨日近藤さんに頂いた黒い袴に履きかえて、長い髪をポニーテールに結う。



「よしっ!」



自分に気合いを入れて門に向かうと、そこにはすでに人がいた。



「遅れてすみません!!」



「まだ時間はあるし、大丈夫ですよ。それよりこれ、どうぞ。」



沖田さんはそう言って私に大小二本の刀を差し出した。



「あっありがとうございます!」



受け取ると、竹刀とは全く違い、ズシリと重く腕に沈んだ。




人の命をかける重さ。

そんな気がして、思わず身震いした。







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