サクラ咲ク



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「やはり何度調べても、何もわかりません。」




山崎の言葉に土方は眉を歪めた。




「生国も、親族も、全く何もわかりません。突然、あの場所に発生した、と考えるのが一番自然です。」



「突然、発生した…?」



「はい。それから…一般常識をあまり知らないようです。」



「…どういう事だよ?」



「“巡察”や“攘夷浪士”の意味を沖田隊長に聞いてる場面を見受けました。」



「…ますますわかんねぇな…。山崎、お前はどう考える?」



土方に言われて山崎はゆっくりと考え込んだ。



「まだ判断はできませんが…怪しむに越したことはないでしょうね。あ、それから…」




山崎は思い出したように言葉をつなげた。






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