サクラ咲ク
「芹沢の奥様である梅と、接触がありました。二人で何か話していたようですが、梅に気付かれてしまい、内容を聞くには至りませんでした…すみません。」
「いや、謝るこたぁねぇ。」
頭を下げた山崎にそう声をかけて土方は再び考え込む。
梅となら、攘夷の話ではないだろう。曲がりながらも、あの女はこちら側。
「…わりぃが、引き続き頼む。」
「はっ」
そう言って闇に消えた山崎を見て、土方は満足げに笑った。
(優秀な部下で助かるな…)
真夜中を過ぎ、雲に隠れた月が朧げに辺りを照らしていた。
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