サクラ咲ク
朝ごはんを食べて、お梅さんに薬を塗ってもらい包帯も巻き直してもらって、朝稽古に参加した。
今日は沖田さんではなく、佐伯さんが相手をしてくれて平和に終えることができて少し安心する。
「では、昼の巡察まで一番隊は自由とします。以上!」
沖田さんの言葉で朝稽古は終わり、私は佐伯さんと一緒に自室に向かった。
「それにしても、悠希は強ぇな!さすがあの沖田隊長とやり合うだけあるな!」
「いえ…まだまだですよ。」
「ははっ!謙遜すんなって!平隊士の中じゃ悠希が一番だな!」
佐伯さんは嫌みな言い方ではなく、素直にそう言ってくれてると分かるから、嬉しくなる。
「…悠希さん。」
不意に後ろから声をかけられた。振り向かずとも、声で誰だかは分かる。
「なんですか、沖田先生。」
振り向いた私に、沖田さんはずんずんと近づいて私の手を掴んだ。
「やっぱり、怪我してましたね。」
包帯の巻かれた手を見て、沖田さんはため息をついた。
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