幸せの道へ[*続*先輩♀×後輩♂]
泣きそうになるのを必死に止めて

真尋くんの言葉を待つ。

『あ…あぁ、向こうでの仕事が終わって、今日帰って来たんだ。』

「そう、だったんだ」

慎吾くんとか知ってたら私に言って来そうだよね…?

てことは誰にも言ってなかったのかな。


沈黙が続く。


どうしていいのかわからず、

無意識に左手で髪の毛を耳にかけた。


『…結婚、したんだな?』

真尋くんの言葉で咄嗟に左手を隠した。

もう、遅いのに。

「う、うん。」

咄嗟に付いた嘘。


だって、こういうしかなかったんだもん。


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