幸せの道へ[*続*先輩♀×後輩♂]
「ふぇーん」

凜は涙を流していた。

膝も少し擦りむいてて…
よっぽど痛かったんだと思う。

でも私は立ち止まったままだった。

『もぅ大丈夫だよ』

ある人が凜を抱き上げた。

「お兄ちゃん…グスッ」

凜の声でハッとする。

私、ここで立ち止まってちゃいけないじゃん。

凜は…私の子なんだから。

「凜…っ、大丈夫!?」

「ママぁ…」

泣きながらある人の腕から私の腕に移った凜。

「よしよし、痛かったね。でも、気をつけなきゃダメでしょ?」

「グスッ…はぁい」

頭を撫でながら、前にいる人を見た。


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