星がくれた奇跡
あれから、あたしたちは午後の授業をさぼった。
翔が連れて行きたいところがあるっていうから
翔の自転車の後ろにお邪魔した。
午後2時くらいだからまだ明るくて、風が気持ちい。
「ねーどこ行くの~!?」
あたしが聞いてるのに聞こえてないみたいで・・・
「ねぇー!」
「んー?」
「どこ行くのー?」
「着くまで秘密ー!」
なんだかワクワクするな。
急にスピードが速くなって―・・・
「落ちるからちゃんと掴まってろよ」
「え!?」
猛スピードで走る。
本当に落ちそうだから力強く掴んだ。
あれから10分くらいかかって、
「着いたぞ」
「何ここ」
「俺が好きな場所。夜になると星がすげぇーの」
「じゃあ夜までここにいるー」
「じゃあ俺もー」
あたしたちは、地面に寝っころがった。
草が生えてて、少しくすぐったい。
ずっと空を見て思った・・・。
全然関係ないのに・・なんで空を見て思うんだろう?
入学式ですごい仲よくなった翔。
おそろいのストラップも持ってる翔。
あたしに取ってくれた―・・・
「翔」
「んー?」
「ネックレスありがとね」
「おう」
「大切にする」
「百円のネックレスを?」
「百円でもかわいいから宝物」
「なんか・・嬉しいな」
「なんで?」
「宝物にしてもらえるって」
翔がそう思ったのが以外でちょっと笑えた。
でも・・・
確かに、自分があげた物を宝物にしてくれると嬉しいかもしれない。
「翔。これから夜になるまでどうする?」
「だな。けっこう時間あるからな」
今でまだ2時半・・。
ずっとここに居てもすることがない。
「翔ゲーセン行こうよ」
「ゲーセン?」
「うん」
「いいぜ」
暇だからゲーセンに行くことにした。
入学式に行ったゲーセン。
「今日は何取ってくれる?」
「なんでも」
「マジ!?じゃあー」
すごいテンション上がってていろいろ選んだ。
そしたら、
「翔ーこのぬいぐるみがいいー」
それはピンクのリボンをつけた不細工なくま。
なんだか不細工だけどかわいくて―・・・
「おまえ変わってんな」
翔にめっちゃ笑われた。
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