星がくれた奇跡
それから、学校を出てカラオケに行った。
カラオケではあんまり歌わなかった。
翔はまったく歌わなかったから「オンチなんだろ」って言ったら「違げぇーよ」って
言われた。
美樹はバラードばっかりですごく切なくなったり・・・
輝は「美樹最高」なんて言って騒いでた。
輝と美樹で楽しく歌ってるから翔が―・・・
「ちょっと外でね?」
って声かけてくれて、
「うん」
二人にラブラブな時間をあげた。
外はけっこうカップルが歩いててみんな幸せそう。
ずっと立ってるのもなんだし外の階段のところに座った。
「優って彼氏いんの?」
突然聞かれてびっくりした。
「彼氏なんていませーん」
あたしは生きてきた中彼氏なんて一度もできない。
告白はされるけどあたしは全部断った。
「翔なんか彼女いるくせに」
「いねぇーよ」
「嘘だぁー」
「嘘じゃねぇーよ」
「だってさ―・・・」
「だって?」
「なんもない!」
あたしは全部言うのをやめた。
「だってさ―・・・」の続きは「かっこいいじゃん」
こんな人に彼女がいないなんて・・・!
けっこう喧嘩強い人は「俺が守るから」なんて言うんだろう。
確かに言われたら嬉しいな。
なんて、妄想してた。
「ちょっとどっか行こうぜ」
翔はあたしの腕を引っ張った。
急に勢いよく引っ張られて転びそうになって・・・
やばい!転ぶ!!
そう思ってたら、
「おっと・・あぶね」
翔があたしが転ぶってわかって助けてくれた。
助けてくれたけど―・・・
恥ずかしい。
かなり恥ずかしい。
みんないるのに・・・転びそうになって思いっきり抱きしめられてる。
「しょ、翔!?」
「あっ!悪りぃー。大丈夫か?」
「あっうん。ありがとう」
それで向かった先は公園。
なんで公園なんだろうって思った。
「翔。なんで公園?」
「んー・・俺は星も好きだけど子供も好き」
すっごい意外な言葉だった。
不良君は子供とかただうざいとしか思ってないんだろうなって思ってた。
でも、翔は違う。
ほかの不良君とは違う。
ちゃんとしてる。
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