星がくれた奇跡
起きたのは何時だろう?
けっこう寝たと思う・・・。
目をこすりながらベットから出ようと思ったら、
「ん・・」
翔があたしを離さない。
寝てるはずなのに、強くぎゅって掴んでる。
「優・・・行くなよ」
寝言なのにそんなこと言ってくれちゃって。
なんか、ドキッときた。
『行くなよ』ただそれだけなのに嬉しくて。
独占してるっぽい感じでなんか嬉しい。
翔が離してくれそうにないからもう一回潜り込んだ。
「大好きだよ」
寝てるから言わせてもらった。
直接言うと恥ずかしいから寝てる時に。
「翔はあたしのこと好き・・・?」
寝てるから答えてくれないけど言ってみた。
そしたら‐・・
「好きに決まってんだろ」
翔が目を開けた。
「・・・・え?・・・・」
急に目を開けたから驚いた。
「さ、さっきの全部聞いてた?」
「あぁ」
「なんでー!?」
あたしは大声を出した。
全部聞かれてた!?
めちゃくちゃ恥ずかしいんですけど!
「基本眠りは浅いから」
「・・・・」
「優・・?」
「・・・・」
「ごめん」
「・・・・」
「俺も好きだよ」
「・・・・あたしも・・・・」
翔はそうやって機嫌をとってくれる。
翔はあたしを抱きしめて。
「ん・・・・」
キスしてくれた。
翔があたしを見つめて・・・
「今度の土曜デートしようぜ」
「うん!」
あたしは土曜にデートすることになった。

でも、それが最悪の日になるとは思いもしなかった。


< 50 / 72 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop