星がくれた奇跡
あれから毎日病院に通っている。
あたしがいないときに目を覚ましたらどんなこと聞くかな?
「ここどこ?」って言いそうだな。
でも、翔が目を覚ましたらきっとあたしは泣く。
だから「ここどこ?」よりも先に「どうした?」って心配して抱きしめてくれるんだろうな。
あたしが花の水を変えてたら・・・
「優ちゃん?」
声をかけられた。
「・・・はい・・・」
「翔の母です」
丁寧にお辞儀をされた。
「あっ・・・翔さんとお付き合いさせていただてる優です」
あたしも丁寧にお辞儀をした。
「可愛い子ね予想通りの子だわ」
にっこり優しく微笑んでくれた。
「あの子相当優ちゃんが好きなのよ」
「本当ですか?」
「本当よ。毎日話を聞かされるの」
それを聞いてドキッてした。
翔は、あたしのことを話してくれてる。
「話を聞いててすごい伝わってくるの」
「伝わる?」
「この子本気で好きなんだって」
「あ、あたしも本気で好きです!」
「ありがとう」
あたしは花の水を変えて翔のお母さんの隣に座った。
「だから・・・」
「はい?」
「別れた方がいい」
「・・え?・・」
一瞬何を言ってるの?って思った。
『別れた方がいい』?
どうして・・・?
こんなにも好きなのに・・・?
「翔はいつ目を覚ますかわからない状態。それに優ちゃんは高校1年よ?まだいっぱいあそびたい年だし、可愛いんだからいっぱい恋しなきゃ」
「でも・・・・」
「付き合ってるだけ優ちゃんが寂しい思いをするんだよ?」
翔のお母さんは「今日は帰ってゆっくりしな?」って言われて病室を出された。
それでもまだ翔と離れたくないって思った。
だから、あたしは翔とのよく行く場所に行った。
すごい外は真っ暗だ。
翔が目を覚ましてたらきっと「こんな夜に危ないから家から出んな」って言われるんだろうなって思った。
あたしが最初に向かったのは・・・・

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